RCIの使い方

2023年1月7日

*本記事は法律で認められた金融庁登録業者により書かれています。

RCIは、オシレーター系テクニカル指標に分類されます。
一方で、トレンド系の性格も有しているのが特徴です。
RCIは、統計学の『スピアマンの順位相関係数』をFXに応用したものです。
根強い人気のあるテクニカル指標で、こだわって使うトレーダーもたまに見かけます。
しかし、トレード判断のメインを張るようなテクニカル指標ではありません。
本記事では、RCIの基本的な使い方を解説します。
RCIは、ローソク足やチャートパターンのサポート役という考え方が重要です。
記事の信頼性担保

【執筆】株式会社トリロジー
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本記事では、下記の目次の内容を記載します。

RCIとは

RCI (Rank Correlation Index)は、買われすぎ・売られすぎを判断するオシレータ系のテクニカル指標に分類されます。一方で、トレンド系の性格も有しており、期間を長くすれば滑らかな曲線を描画できることが特徴です。

RCIは、統計学の「スピアマンの順位相関係数」をFXに応用したものです。すなわち、「レートの値」を計算対象にせず、設定期間における「時間とレートの順位」の相関関係を指標化して、-100%~+100% の数値として表示します。

具体的には、RCIのパラメータを9日とした場合、レートの順位は高い方から1位~9位となり、日付の順位は近い方から1位(昨日)~9位(9日前)となります。レートの順位と日付の順位が一致した場合に+100%または-100%となります。

RCIの使い方

上昇トレンドではRCIがプラスの値になり、下降トレンドではRCIがマイナスの値になります。

通常、RCIは、2本(短期・長期)もしくは3本(短期・中期・長期)を表示させます。

基本的には、オシレーター系の買われすぎ・売られすぎという過熱感を計測して逆張りに使われます。一方、RCIはトレンド系の性格を有することからトレンドの発生を計測し、順張りに使われることもあります。

トレンド判断基準
上昇トレンド0 ~+100%で推移
買われすぎライン+80%以上
下降トレンド-100% ~ 0で推移
売られすぎライン-80%以下

次に、RCIを使ったトレードの売買シグナルを一覧表にまとめます。

買いシグナル売りシグナル
0%ラインを上抜け0%ラインを下抜け
-80%以下で
ラインの方向が上向きへ転換する
+80%以上で
ラインの方向が下向きへ転換する
-100%~-50%で
ゴールデンクロス
+50%~+100%で
デッドクロス
天井に張り付いた上昇トレンドの強いとき
ラインの方向が転換する
(押し目買い)
底に張り付いた下降トレンドの強いとき
ラインの方向が転換する
(戻り売り)

RCIでは、-100%~0は下降トレンド、0~+100%は上昇トレンドと判定します。±100%に近づけば近づくほどトレンドは過熱気味と考えることが基本です。

したがって、-80%以下(底打ち)の方向転換(逆張り)、0ラインの上抜け(順張り)で買いシグナルと考えます。

逆に、+80%以上(頭打ち)の方向転換(逆張り)、0ラインの下抜け(順張り)で売りシグナルになります。

なお、トレンドが強いとき、RCIは天井圏・底値圏に張り付きます。このような場合は、逆張りを狙うのではなく、押し目や戻りの順張りを狙います。

2本以上のRCIを使う場合は、-100%~-50%でのゴールデンクロスを買いシグナル、+50%~+100%でのデッドクロスを売りシグナルに考えます。

RCIの注意点

RCI単体の売買シグナルはメインに考えるべきではありません。RCIだけを売買シグナルにするのは、かなり困難です。

RCIは、ローソク足やチャートパターンのようなメインシグナルのサポート役という考え方が重要です。

RCIが売買シグナルを発したとしても、メインシグナルが決まっていなければ、トレードは「待ち」になります。