プロフィットファクターと勝率・リスクリワード比の関係

2023年5月28日

プロフィットファクターとリスクリワード比・勝率の関係

プロフィットファクターをリスクリワード比と勝率から考察します。

*本記事は法律で認められた金融庁登録業者により書かれています。

  • プロフィットファクター = 総利益 ÷ 総損失 で計算されます。
  • すなわち、総利益が総損失の何倍かという比率を示す指標です。
  • この計算は、リスクリワード比と勝率を使っても表すことができます。
  • 英語では「profit factor」と表記され、「PF」と略されます。
  • この記事では、プロフィットファクター、リスクリワード比および勝率の関係を説明します。
  • 結論的には、勝率50%以下のEAを使うことが、理に適っていると言えます。
記事の信頼性担保

【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269
【説明】投資家の皆様への継続支援を通じて金融立国に貢献します。

本記事では、下記の目次の内容を記載します。

PFの基本と計算方法

プロフィットファクター(Profit factor)は、総利益が総損失の何倍であるかを示します。

プロフィットファクター = 総利益 ÷ 総損失

参考記事
プロフィットファクターの計算と使い方

この計算式は、リスクリワード比と勝率を使っても表すことができます。リスクリワード比と勝率は、PFと同様にEAの評価指標として重要です。

リスクリワード比とは

リスクリワード比は、平均利益が平均損失の何倍であるかを示します。

リスクリワード比 = 平均利益 ÷ 平均損失

リスクリワード比は最近になって使われ始めた用語ですが、ペイオフレシオと同じ意味です。

PFをリスクリワード比と勝率から計算する

PFは、総利益と総損失をリスクリワード比と勝率に変換して計算することができます。

  • 総利益 = 平均利益 × 勝トレード数
  • 総損失 = 平均損失 × 敗トレード数
  • 勝トレード数 = 総トレード数 × 勝率
  • 敗トレード数 = 総トレード数 × 敗率
  • 敗率 = 1 - 勝率
プロフィットファクター
= 総利益 ÷ 総損失
= (平均利益 × 勝トレード数)÷(平均損失 × 敗トレード数)
= (平均利益 × 総トレード数 × 勝率)÷(平均損失 × 総トレード数 × 敗率)
= リスクリワード比 × 勝率 ÷ (1 - 勝率)

プロフィットファクター = リスクリワード比 × 勝率 ÷(1 - 勝率)

PFとリスクリワード比・勝率の関係

PFとリスクリワード比・勝率の関係

PFとリスクリワード比・勝率の関係を表にすることで、EAの性能評価につなげることができます。PFを維持するためには、勝率とリスクリワード比を維持しなければなりません。勝率とリスクリワード比の両者のうち、変動しやすいのは勝率です。トレード数が少ない場合や勝率が高い場合は、少しの負けでPFが激減することになります。初心者ほど高勝率EAを好みますが、このような大きな罠があることを忘れてはいけません。このような現象を頭に入れた上で、バックテストの結果は評価する必要があります。

【例】100トレード、PF=2.0のEAの場合

勝率90%のEAなら
90勝10敗
100pips x 90 = 9000pips
450pips x 10 = 4500pips
リスクリワード比 = 100 / 450 = 0.22
PF = 9000 / 4500 = 2.00
勝率50%のEAなら
50勝50敗
180pips x 50 = 9000pips
90pips x 50 = 4500pips
リスクリワード比 = 180 / 90 = 2.0
PF = 9000 / 4500 = 2.00
勝率10%のEAなら
10勝90敗
900pips x 10 = 9000pips
50pips x 90 = 4500pips
リスクリワード比 = 900 / 50= 18.0
PF = 9000 / 4500 = 2.00

各EAのリスクリワード比は変わらないとして、次のトレードで勝つ場合と負ける場合で、PFがどのように変動するか、確認したいと思います。

次のトレードで勝つ場合

勝率90%のEAが次のトレードで勝つと
91勝10敗
100pips x 91 = 9100pips
450pips x 10 = 4500pips
リスクリワード比 = 100 / 450 = 0.22
PF = 9100 / 4500 =2.02
勝率50%のEA次のトレードで勝つと
51勝50敗
180pips x 51 = 9180pips
90pips x 50 = 4500pips
リスクリワード比 = 180 / 90 = 2.0
PF = 9180 / 4500 =2.04
勝率10%のEA次のトレードで勝つと
11勝90敗
900pips x 11 = 9900pips
50pips x 90 = 4500pips
リスクリワード比 = 900 / 50 = 18.0
PF = 9900 / 4500 = 2.20

次のトレードで負ける場合

勝率90%のEAが次のトレードで負けると
90勝11敗
100pips x 90 = 9000pips
450pips x 11 = 4950pips
リスクリワード比 = 100 / 450 = 0.22
PF = 9000 / 4950 =1.82
勝率50%のEAなら次のトレードで負けると
50勝51敗
180pips x 50 = 9000pips
90pips x 51 = 4590pips
リスクリワード比 = 180 / 90 = 2.0
PF = 9000 / 4590 =1.96
勝率10%のEAなら次のトレードで負けると
10勝91敗
900pips x 10 = 9000pips
50pips x 91 = 4550pips
リスクリワード比 = 900 / 50 = 18.0
PF = 9000 / 5687.5 = 1.98

これらより、勝率90%のEAは次のトレードで負けるとPFは大きく変動し(下がり)、勝率10%のEAは次のトレードで勝つとPFは大きく変動(上がる)ことが分かります。逆の場合はあまり変動しません。

すなわち、勝率90%のEAは負けに弱いということが分かります。

次に、勝率をもう少しマイルドにして比較してみましょう。

勝率80%のEAなら
80勝20敗
100pips x 80 = 8000pips
200pips x 20 = 4000pips
リスクリワード比 = 100 / 200 = 0.5
PF = 8000 / 4000 = 2.00
勝率50%のEAなら
50勝50敗
160pips x 50 = 8000pips
80pips x 50 = 4000pips
リスクリワード比 = 160 / 80 = 2.0
PF = 8000 / 4000 = 2.00
勝率20%のEAなら
20勝80敗
400pips x 20 = 8000pips
50pips x 80 = 4000pips
リスクリワード比 = 400 / 50 = 8.0
PF = 8000 / 4000 = 2.00

各EAのリスクリワード比は変わらないとして、次のトレードで勝つ場合と負ける場合で、PFがどのように変動するか、確認したいと思います。

次のトレードで勝つ場合

勝率80%のEAが次のトレードで勝つと
81勝20敗
100pips x 81 = 8100pips
200pips x 20 = 4000pips
リスクリワード比 = 100 / 200 = 0.5
PF = 8100 / 4000 =2.03
勝率50%のEA次のトレードで勝つと
51勝50敗
160pips x 51 = 8160pips
80pips x 50 = 4000pips
リスクリワード比 = 160 / 80 = 2.0
PF = 8160 / 4000 =2.04
勝率20%のEA次のトレードで勝つと
21勝80敗
400pips x 21 = 8400pips
50pips x 80 = 4000pips
リスクリワード比 = 400 / 50 = 8.0
PF = 8400 / 4000 = 2.10

次のトレードで負ける場合

勝率80%のEAが次のトレードで負けると
80勝21敗
100pips x 80 = 8000pips
200pips x 21 = 4200pips
リスクリワード比 = 100 / 200 = 0.5
PF = 8000 / 4200 =1.90
勝率50%のEAなら次のトレードで負けると
50勝51敗
160pips x 50 = 8000pips
80pips x 51 = 4080pips
リスクリワード比 = 160 / 80 = 2.0
PF = 8000 / 4080 =1.96
勝率20%のEAなら次のトレードで負けると
20勝81敗
400pips x 20 = 8000pips
50pips x 81 = 4050pips
リスクリワード比 = 400 / 50 = 8.0
PF = 8000 / 4050 = 1.98

勝率90%のEAと比べて、勝率80%のEAだと負けたときの変動は小さくなりました。つまり、高勝率EAであればあるほど負けに対する耐性がなく、バックテストと比べて少しでも負けが込めば、速やかに口座は破綻に向かうことが理解できます。

勝率50%のEAは次のトレードで勝っても負けても、PFの大きな変動はありません。つまり、EAの成績を安定させるためには、勝率50%付近に設定するのが良いと言えます。

低勝率EAの場合は負けに対する耐性が高いため、バックテストの結果よりもフォワードの成績が下回ることが少なくなり、上振れする(PFが上昇する)という現象にしばしば遭遇します。リスクリワード比から分かるように、低勝率EAは損小利大です。これらのデータは、まさに相場のセオリーである損小利大を実現すれば、理論上は有利にトレードを進められる可能性が高まることを証明しています。

低勝率・損小利大EAにも、弱点はあります。それは、勝ちトレードを拾えなかったときの影響が大きいということです。低勝率EAは連敗することが当たり前なので、連敗してもEAを止めることなく稼働させ続ける精神力が必要です。連敗してEAを止めて、勝ちトレードをスルーしてしまうことがマズイということになります。

つまり、低勝率・損小利大EAは慣れが必要とも言えるでしょう。

勝率50%以下のEAを使うことが重要

もし、あなたがEAで稼ぎ続けたければ、勝率50%以下のEAでポートフォリオを組むことが重要です。

ほとんどの人は、勝率の高いEAポートフォリオを組もうとします。だから、9割がFXから退場すると言えるでしょう。