【プロフィットファクター】どのくらいが優秀か?

2024年1月10日

プロフィットファクターによる優秀なEAの判定ライン

プロフィットファクター「1.20」以上のEAは優秀です。
*「トレード数 = 10,000」で算出。

EAの種類トレード数優秀なPF
理想的なEA(単体)10,0001.20
逆張りEA(日足)1,5001.28
順張りEA(日足)3,0001.23
15年間の運用(バックテスト)を想定して算出

本記事は、法律で認められた金融庁登録業者により書かれています。

プロフィットファクター = 総利益 ÷ 総損失 で計算されます。
プロフィットファクター「1.20」以上の EA は優秀です。
必要十分なトレード数「10,000トレード」を想定して算出
「EAの性格」と「トレード環境」により、この値は異なります。
EAの性格とは、「逆張り」「順張り」「勝率」「損益比」などで決まります。
トレード環境とは、「スプレッド」「スリッページ」「スワップポイント」などで決まります。
プロフィットファクターは、高すぎると「過剰最適化」の懸念があります。
逆に低すぎると、環境要因のロスに飲み込まれる可能性があります。
これらを踏まえた上で、「1.20」以上のプロフィットファクターを持つEAは優秀と言えます。
【関連記事】プロフィットファクターとは
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なお、2以上のプロフィットファクターは、遅かれ早かれ負けますので注意が必要です。
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記事の信頼性担保

【執筆】株式会社トリロジー
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本記事では、下記の目次の内容を記載します。

優秀なEAの判定ラインを算出しましょう。

プロフィットファクターを用いた優秀なEAの判定ラインは、EAの性格ごとに分けて考える必要があります。すなわち、「逆張り」「順張り」「高勝率」「損小利大」など、それぞれのEAの性格より異なります。理由は、それぞれのEAの性格上、トレード数に差が出るためです。

トレード数は多ければ多いほど、プロフィットファクターはそのEAの実力に収束します。プロフィットファクターが「1」のEAが、トレード数ごとに取りうる範囲を算出し(信頼水準=95%)、勝てるEAの計算上の「理論値」はそれ以上の値が必要ということになります。

優秀なEA = 理論値の上限 × 1.15

優秀なEAかどうかを判定する場合、プロフィットファクター=1のEAがとりうる理論値の上限に「1.15」を乗じます。

これは、トレード環境によるロスを想定した「マージン」の確保が必要なためです。乗じる値はトレード環境により変化しますが、優秀なEAを判定するためには「1.15」が妥当です。

次の Table 1 から、1,000トレードを超えてくると理論値は大きく変化せず、概ね収束していることが分かります。

そこで、私どもは必要十分と考えられるトレード数「10,000」という数字を設定し、その理論値「1.04」に1.15を乗じることで、優秀なEAの判定ラインとなるプロフィットファクター「1.20」を算出しています。

1.04 × 1.15 = 1.20

理論値
の下限
トレード数理論値
の上限
優秀なEA
(理論値 × 1.15)
0.9610,0001.041.20
0.955,0001.061.22
0.933,0001.071.23
0.922,0001.091.26
0.881,0001.131.30
0.845001.191.37
0.762001.321.52
0.671001.471.71
0.66901.521.75
0.64801.561.80
0.62701.611.85
0.60601.681.93
0.57501.772.03
0.53401.902.18
0.47302.112.43
0.39202.562.94
【Table 1】
「プロフィットファクター=1.0」の EA が
「信頼水準=95%」において取りうる理論値と、
理論値に1.15を乗じることで算出される
「優秀なEAの判定ライン」

なお、優秀なEAの判定ラインの少し上には、「理想値」が存在します。トレード数ごとの理想値を知りたい場合、理論値に対して「1.2」を乗じで算出します。

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逆張りEAの場合、「1.28」以上が優秀です(日足)。

逆張りEAの場合は、トレード数が少なくなる傾向があります。これは、ロジックの性格上、エントリーポイントを厳選せざるを得ないことが理由です。

したがって、優秀な逆張りEAの判定ラインは、順張りEAよりも高くなる傾向があります。

日足の逆張りEAの場合、年間100トレードが目安なので、15年間で1,500トレードを想定し、優秀な逆張りEAの判定ラインを計算してみましょう。

1,500トレードの場合、プロフィットファクターが「1」のEAが取りうる理論値の上限は「1.11」です。1.11に1.15を乗じることで算出される判定ラインは、「1.28」となります。

1.11 × 1.15 = 1.28

(例)「W2C-Angely」の場合

私どもが2015年に開発し、今でも設定を変えることなく利益を上げ続けている逆張りEAに「W2C-Angely」があります。W2C-Angelyの16年間のバックテストから算出されるプロフィットファクターは「1.57」です。

W2C-Angely_Strategy_Tester_2005-2020
W2C-Angelyのバックテスト結果

W2C-Angelyのプロフィットファクター「1.57」は、優秀なEAの判定ラインを遥かに凌駕しているため、現在でも利益を出し続けられていると考察できます。

【関連記事】最強の逆張り・究極の損小利大が実現するEA「W2C-Angely」を徹底解説!

フォワードテスト

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順張りEAの場合、「1.23」以上が優秀です(日足)。

順張りEAの場合は、トレード数が多くなる傾向にあります。したがって、優秀な順張りEAの判定ラインは、逆張りEAほどは高くなりません。

日足の順張りEAの場合、年間200トレードが目安なので、15年間で3,000トレードを想定し、優秀な逆張りEAの判定ラインを計算してみましょう。

3,000トレードの場合、プロフィットファクターが「1」のEAが取りうる理論値の上限は「1.07」です。1.07に1.15を乗じることで算出される判定ラインは、「1.23」となります。

1.07 × 1.15 = 1.23

私どもが2017年に開発し、今でも設定を変えることなく利益を上げ続けている順張りEAに「W2C-Tiger」「W2C-WhiteTiger」があります。

(例)「W2C-Tiger」の場合

16年間のバックテストから算出されるプロフィットファクターは「1.22」です。

W2C-Tiger_Strategy_Tester_2005-2020
W2C-Tigerのバックテスト結果

W2C-Tigerのプロフィットファクター「1.22」は、優秀な順張りEAの判定ラインとほぼ同じであるため、現在でも利益を出し続けられていると考察できます。

【関連記事】最強の順張りEA「W2C-Tiger」を徹底解説!

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(例)「W2C-WhiteTiger」の場合

16年間のバックテストから算出されるプロフィットファクターは「1.28」です。

W2C-WhiteTiger_Strategy_Tester_2005-2020

W2C-WhiteTigerのプロフィットファクター「1.28」は、トレード数は3,000よりもやや少ないですが、優秀な順張りEAの判定ラインを大きく超えているため、現在でも利益を出し続けられていると考察できます。

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高勝率EAは判定できません。

勝率8割を超えるような高勝率EAの場合、順張りであろうと、逆張りであろうと、プロフィットファクターを使って優秀なEAの判定ラインを算出することはできません。

なぜなら、負けトレードの評価ができないことと、相場のセオリーである「損小利大」から逸脱しているためです。

したがって、高勝率EAのプロフィットファクターそのものは評価対象になりないことを念頭に置く必要があります。

しかし、それでは、EA評価のニーズを満たすことができません。そのような理由から、「Adjusted Profit factor」という概念が利用されています。「Adjusted Profit Factor」とは、勝ちトレード数や負けトレード数が少ない場合でも相応の計算式を用いることにより、EA評価の統計学的頑健性を高めようと考案されています。

「EAスコア」は、Adjusted Profit Factorの概念を応用したEA評価ツールです。是非、様々なEAの評価にご利用いただけますと幸いです。

【関連記事】【EA採点ツール】「EAスコア」でFX自動売買を点数化!【業界初】

ナンピン・マーチンゲールEAは判定できません。

「ナンピン」や「マーチンゲール」のようなベッティングルールのあるEAの評価に、プロフィットファクターは無意味です。

プロフィットファクターは、「1トレード=1エントリー、1イグジット」のトレードロジックを搭載するEAにのみ適用されるべき指標です。それぞれのトレードが独立していない、これらのロジックには使えません。

プロフィットファクターは総利益と総損失から計算されるという特性から、ドローダウンを反映しません。口座はロスカットギリギリのドローダウンに遭遇しているのに、プロフィットファクターは正常という事態がありえます。

このような理由から、ベッティングルール(ナンピン、マーチンゲールなど)の入っているトレードロジックの場合は特に、プロフィットファクターでは正しい評価ができないことに注意しましょう。

高すぎるプロフィットファクターは無価値

理想値を遥かにオーバーして、高すぎるプロフィットファクターを提示するような開発者がいます。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉が当てはまる状態です。

2.0以上のプロフィットファクターの場合、「過剰最適化」「トレードの少ないロジックの寄せ集め」の2パターンを疑いましょう。

Webでは、理想的なプロフィットファクターとして、2.0を超える値を提示しているケースが散見されます。しかし、為替相場にはプロフィットファクターが2.0を超えるような優位性は存在しません。これは、長年トレードをしている人間は誰でも知っています。

プロフィットファクターが2.0を超えるEAとは、神が持つ聖杯か、トレードをしていないFXマーケッターやプログラマーの作品です。

【関連記事】プロフィットファクター2以上のEAが勝てない理由

優秀なEAポートフォリオのリアル運用成績

最後に、プロフィットファクターの考え方を適用した「優秀なEAポートフォリオの運用事例」について、リアル口座の成績をご紹介します。

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リアル口座の運用成績

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まとめ

優秀なEAの判定ラインは「1.20」以上です。
(トレード数「10,000」を想定。)
逆張りEAの場合、「1.28」以上が優秀です(日足)。
順張りEAの場合、「1.23」以上が優秀です(日足)。
高勝率EAは判定できません。
ナンピン・マーチンゲールEAは判定できません。
高すぎる値には注意が必要です。

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