海外FX口座のリスクを甘く考えていませんか?

2020年10月19日

海外FX

海外FX口座の開設を考えている方へ。

海外のFX口座は税金を納めなくていいからお得、と考えていませんか。そのお得感は、潜在リスクと比べると、実は微々たるものなのです。

本記事では、海外のFX口座のリスクが割に合わない理由を解説します。財務省(財務局)に登録した国内業者がいかに安全で日本人が恵まれているかが分かります。

海外FX口座を開設しようとされている方は、是非ご一読ください。

執筆;株式会社トリロジー

登録;財務省近畿財務局長(金商)第372号

加入;投資顧問業協会 会員番号022-00269

説明;当社は、FXに特化した投資顧問です。

本記事では、下記の目次の内容を記載します。

海外FX口座のリスクは割に合いません

海外のFX口座でのトレードは、税務署の守備範囲から逃れ、FXの利益を全て自分のものにできると思うかもしれません。

仮に税金の徴収から運よく逃れられたとしても(ほとんどあり得ませんが)、海外のFX口座には税金以上のリスクがあります。その理由は次の5点です。

  • 理由①:出金トラブルが絶えない
  • 理由②:損益通算ができない
  • 理由③:総合課税の対象になる
  • 理由④:ハイレバレッジは、ほぼ無意味
  • 理由⑤:脱税は実は不可能

理由①:出金トラブルが絶えない

日本人の感覚だと、自分の口座の場合、お金を入れたいときに入れて、出したいときに出せると思いがちです。もちろん、日本の国内口座の場合は、当たり前のようにそれができます。

しかし、海外のFX口座の場合は、入れたいときに入れられるものの、出したいときに出せないことがよくあります。

海外のFX業者の信頼情報の頼りはネット情報になるので、優良業者と不良業者の区別が尽かないこともよくあります。我々のような投資顧問業者は消息筋から情報を得ることができますが、それでも、海外FX業者の優劣を間違えることがあります。

したがって、一般人がネット情報を頼りに海外のFX口座を選ぶのは至難の業だろうと想像します。基本的に海外FX口座を使う場合、その業者がドロンしてしまう覚悟を持つことが必要です。

理由②:損益通算ができない

財務省(財務局)に無登録の海外FX業者で口座を開設する場合、損益通算ができません。

損益通算とは、過去の損失と未来の利益を相殺できる仕組みで、相殺部分には税金がかかりません。例えば、去年40万円の損失があって、今年40万円の利益が出た場合、去年の損失と今年の利益を相殺してゼロにできるため、今年の40万円に対する納税が発生しません。

海外FX口座の場合は損益通算ができないため、去年の40万円の損失はそのまま確定し、今年の40万円の利益にはそのまま課税されるということになります。

理由③:総合課税の対象になる(申告分離課税ではない)

財務省(財務局)に無登録の海外FX口座の利益は、総合課税の雑所得の対象になります。すなわち、利益が出れば出るほど、課税率は上昇します。これを累進課税と言います。

大きな利益を上げる国内トレーダーが日本回帰する理由はココにあります。

なお、後に記載しますが、国内FX口座の場合は、申告分離課税の対象になり、税率は一律20.315%です。

理由④:ハイレバレッジは、ほぼ無意味

海外FX口座の場合は、レバレッジ制限が100倍~400倍以上を宣伝する業者もあります。国内口座のレバレッジは最大25倍なので、海外FX口座のレバレッジは破格です。

確かに、海外FX口座の場合、少ない証拠金かつ高い証拠金維持率をもってトレードできることはレバレッジの扱いに慣れた熟練者には有意義なことがあります。

しかし、経験を積めば積むほど、建玉は小さく小さくなっていくものです。したがって、海外FX口座のハイレバレッジはほとんど意味がありません。

熟練者の場合はショック系のような有事の際や確信の持てるチャートパターンの際に、一撃必殺のハイレバレッジを狙うシーンがないとは言えません。

一方で、少なくともほとんどの投資家にとっては、海外FX口座が謳うようなハイレバレッジは使用機会がなく、ハイレバレッジを期待して海外FX口座で取引する投資家が生き残ることはあり得ません。

理由⑤:脱税は不可能

財務省(財務局)に無登録の海外FX業者で口座開設をする唯一の金銭的な利点を挙げるとするならば、税金を逃れられる可能性が発生する点です。

しかし、これは納税義務に反しますので当然よろしくありません。

また、海外に資金を逃がせば、税務署の管理から逃れられると考えがちですが、それほど甘くありません。電子的な仕組みを使う限り、必ず記録が残ります。後に、何らかのきっかけで脱税が見つかった場合は、追徴課税の対象になります。

誰にもバレずに海外に資金を逃がすことができるのは、ごく一部の富裕層くらいです。

ちなみに、FXで継続して利益を上げられる投資家は1%に満たないという統計がありますので、海外FX口座による税金逃れによる金銭的な恩恵(?)を受けられる可能性は極めて低いものであると考えられます。

海外FXは違法

海外FX口座の違法行為に注意

財務省(財務局)に無登録の海外FX会社が日本居住者に対して勧誘を行うことは違法です。言い換えれば、日本居住者に対してFX会社が口座開設等の顧客獲得活動をする場合、財務省(財務局)に登録する必要があります。

口座開設のアフィリエイトも、財務省(財務局)に無登録の口座開設を促す場合、違法である可能性があります。すなわち、知らず知らずのうちに違法行為に加担してしまっているアフィリエイターが存在します。摘発例もあるようです。

結局、財務省(財務局)に無登録の海外FX口座の開設は、海外FX会社が直接勧誘するのではなく、国内アフィリエイターを使うことによって、自分たちは違法行為の外にいるという構図を作っていると見ることもできます。

FXは海外口座ではなく、国内口座でやりましょう

海外FX口座で金銭的に得をするのは限られたごく一部の人間です。この記事を読んでいるあなたが、そのごく一部の人間になることはかなり難しいと思います。日本国内に住む方の場合、財務省(財務局)に登録するFX業者の国内口座を開設する方が、長い目で見るとメリットが多くあります。理由は次の3点です。

  • 理由①:全額信託保全の仕組みが完備されている
  • 理由②:損益通算ができる
  • 理由③:分離課税による節税効果が期待できる
FXは国内口座がベスト

理由①:全額100%信託保全の仕組みが完備されている

FX業者が国内口座を持つ場合、財務省の下の財務局の登録・許可を受ける必要があります。許可を受けた日本国内のFX口座の場合、100%信託保全が完備されているので、FX会社が倒産した場合も、資産は全額100%保全されます。

海外FX口座の場合は、信託保全が担保されているケースはほとんどありません。全額100%信託保全に関してはこれまで見たことがありません。また、資金を銀行口座に戻す場合のトラブルも懸念されます。国内口座の場合は、この手のトラブルは無縁ですので、余計な心配をすることなくトレードに専念できます。

理由②:損益通算ができる

繰り返しになりますが、損益通算とは、前の年(最長3年)の損失を翌年の利益と相殺できる仕組みです。FXの利益(20万円以上)には、雑所得として分離課税の20.315%が発生します。しかし、前の年に損失があれば、利益と相殺し、課税金額を抑えることができます。

国内口座の場合は損益通算できますが、海外のFX口座の場合は損益通算できません。FXで毎年利益を上げられる投資家は少数です。ほとんどの投資家が損益通算をする機会に遭遇します。損益通算できないないと損失はそのまま確定して利益は税金により圧迫されるという、極めて苦しい状況が発生します。

理由③:申告分離課税による節税効果が期待できる

申告分離課税とは、FXの収益と他の所得と分けて課税される仕組みです。国内FX口座の利益に対する税率は所得の額にかかわらず一律20.315%です。

一方、海外のFX口座の場合は、総合課税ですので他の収益にオンされて税率が上がっていきます(累進課税)。

したがって、国内口座の場合は分離課税による節税効果が期待できます。

繰り返しになりますが、海外のFX口座での税金逃れは現実的ではありません。ごく一部の富裕層や、国籍を変える覚悟がある場合は、逃げ切れる可能性はありますが、それ以外の場合は確実にバレます。

海外FX口座のリスク(まとめ)

  • 海外FX口座では、出金トラブルの覚悟が必要です
  • 海外FX口座の資金は、信託保全されないケースがあります
  • 海外FX口座では、損益通算できません
  • 海外FX口座の利益は、総合課税(分離課税は不可)になります
  • 海外FX口座に期待するハイレバレッジは、ほぼ無意味です
  • 海外FX口座に期待する税金逃れは、ほぼ不可能です
  • 海外FX口座の違法性を認識しましょう