RSIの使い方【典型的な5パターンについて詳しく解説】

2023年1月7日

*本記事は法律で認められた金融庁登録業者により書かれています。

RSIは代表的なオシレーター系テクニカル指標です。
これは、多くの投資家がRSIを見ていることを意味しています。
FXで利益を出すためには、皆と同じ方向を向いてトレードすることが重要です。
一方、独自の解釈によってRSIを使っている投資家がいます。
独自の解釈でテクニカル分析を行うと不利に働きます。
他の市場参加者の投資行動から逸脱してしまうためです。
本記事では、RSIの使い方の典型的な5パターンについて詳しく解説します。
RSIは応用範囲の広いテクニカル指標です。
記事の信頼性担保

【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269
【説明】投資家の皆様への継続支援を通じて金融立国に貢献します。

本記事では、下記の目次の内容を記載します。

RSIとは

RSI(Relative Strength Index;相対力指標)はオシレータ系指標に分類されます。

したがって、RSIは、「買われすぎ」「売られすぎ」を判断する逆張り用のテクニカル指標として広く知られています。

しかし、RSIの使い方は単純な逆張りだけではなく様々な使い方があります。

RSIの設定値は一般的に14ですので、本記事では、RSIの標準設定を14にして解説します。

RSIの計算法

RSIは次の計算式から算出されます。計算値が70%以上を「買われすぎ」、30%以下を「売られすぎ」と判定するのが一般的です。

【1日目】
RSI = a / (a + b) x 100
a = 14日間上昇幅の平均、b = 14日間下落幅の平均

【2日目以降】
RSI = c / (c + d) x 100
c = a x 13 + 前日上昇幅、d = b x 13 + 前日下落幅

RSIはチャートのサブウィンドウに描画されます。折れ線がRSI、70%以上が買われすぎゾーン、30%以下が売られすぎゾーン、50%がセンターラインです。

RSIの使い方

RSIには次の5パターンの使い方があります。

  • 買われすぎゾーン(70%以上)、売られすぎゾーン(30%以下)で逆張り
  • センターライン(50%)の上抜け、下抜けで順張り
  • 2本のRSIのコンビネーション
  • RSIダイバージェンス
  • ストキャスティックRSI

買われすぎゾーン(70%以上)、売られすぎゾーン(30%以下)での逆張りパターン

一般的に、RSIの数値が70%以上を「買われすぎゾーン」、30%以下を「売られすぎゾーン」と言われます。しかし、トレンド相場かレンジ相場かによって数値の意味が異なってくるのが弱点です。

RSIは値動きの大きさを数値化しています。したがって、大きなトレンドや初動の大きな値動きの場合、RSIが反応し続けて、「買われすぎゾーン」「売られすぎゾーン」に常駐することがあります。

このような場合は、RSIの逆張りシグナルでエントリーしてもレートは反転せず、含み損が膨れ上がることがあるので注意が必要です。

反対に、売られすぎのタイミングで上昇の勢いが強くなり、RSIが30以上の場合があります。このような時、RSIが30以下になるのを待っているとチャンスを逃してしまいます。

つまり、RSIは「買われすぎ」「売られすぎ」の水準を固定すると適応できないことがあり、相場の状況に応じて動的に変えることも重要です。

RSIの水準を動的に判定するための方法として、RSIにボリンジャーバンドを組み合わせるRSIボリンジャーバンドがあります。

RSIボリンジャーバンドの使い方

RSIにボリンジャーバンドを表示することで、RSIを動的に判断することができるようになります。

RSIのボリンジャーバンドでは、RSIの上下に±2σのバンドを描画します。RSIのラインがボリンジャーバンドの+2σに達したら買われすぎ、-2σに達したら売られすぎと判断します。

しかし、RSIのボリンジャーバンドも常に有効であるわけではなく、かなりの確率でRSIのバンドウォークが発生します。

したがって、RSIのボリンジャーバンドをメインでトレード判断をするというよりは、サブ的な位置づけになります。

【RSIボリンジャーバンドの一般的な設定値】
RSI:期間 = 14
ボリンジャーバンド:期間 = 20、±2σ

センターライン(50%)の上抜け、下抜けで順張り

RSIが30%以下から50%ラインを上抜けするときに上昇トレンドが継続しやすく、70%以上から50%ラインを下抜けするときに下降トレンドが継続しやすいと言えます。

したがって、このような場合に、50%ラインを突破した時点で順張りします。

トレードの確度を上げるために、

RSIが55%ラインを上抜けすれば買い
RSIが45%ラインを下抜けすれば売り

というように、バッファゾーンを設定することもあります。このようなバッファゾーンを設定する場合、多少の出遅れに注意が必要です。

2本のRSIによるコンビネーション

長期と短期の2本のRSIのコンビネーションにより、次の3パターンのトレードルールが知られています。

  • 2本のラインのゴールデンクロス・デッドクロスをトレードシグナルにする方法
    • 短期のRSIが長期のRSIを上抜けたら「買い」、下抜けたら「売り」です。
    • この場合、少し出遅れる可能性があります。
  • 2本のラインの乖離をトレードシグナルにする方法
    • 短期のRSIが長期のRSIよりも上に乖離したら「売り」、下に乖離したら「買い」です。
    • この場合、少し先走る可能性があります。
  • 2本のラインが「買われすぎ」「売られすぎ」ゾーンに入ったことをトレードシグナルにする方法
    • 長期のRSIが「売られすぎ」ゾーンに入り、続いて短期のRSIが「売られすぎ」ゾーンに入ったら「買い」、長期のRSIが「買われすぎ」ゾーンに入り、続いて短期のRSIが「買われすぎ」ゾーンに入ったら「売り」です

RSIダイバージェンス

テクニカル指標の方向性が価格の方向性と異なることをダーバージェンスと言い、押し目買い・戻り売りのチャンスと見なします。RSIでも同じ傾向があります。

買いのダイバージェンスであれば値動きとRSIにサポートラインを引き、売りのダイバージェンスであれば値動きとRSIにレジスタンスラインを引きます。上図では、売りのダイバージェンスを示しています。

基本的には、2つの山、2つの谷を探して、サポートラインとレジスタンスラインを引きます。今回の例では、3つの山と3つの谷を形成した強いダイバージェンスが出ています。このようなケースでは、1回目のエントリーは損切するか、2回目のエントリーでナンピンするかという2つの選択肢になります。

ストキャスティックRSI

ストキャスティクスとRSIを合わせた指標をストキャスティックRSIと言います。ストキャスティックRSIでは、過去n日間のRSIの数値を元にストキャスティクスの計算を入れます。

ストキャスティックRSIでは、ストキャスティクスと同様に、%K、%D、スロー%Dという3つの数値が得られます。チャート上、ストキャスティックRSIにはシグナル線がありますが、これらはストキャスティクスでいう「%K」と「%D」の関係に当たります。

20%以下または80%以上において、%Kと%Dのクロスを売買シグナルとします。

ストキャスティクスRSI(%K)がシグナル線(%D)を上抜けすれば「買い」シグナル、逆に下抜けすれば「売り」シグナルとなります。

ストキャスティクスについて詳しく知りたい方は、「FXにおけるストキャスティクスの使い方【典型的な4パターンについて詳しく解説】」をご参照ください。

RSIの注意点

トレードの主役はローソク足です。

したがって、RSIは主役ではなく脇役であるという認識が重要です。仮にRSIがトレードシグナルを発していたとしても、ローソク足が良くなければトレードは見送りです。

ローソク足について詳しく知りたい方は、「FXのローソク足パターン【典型&鉄板トレードを完全網羅】」をご参照ください。

本記事に記載したようにRSIには様々な使い方があります。しかし、どれも決定打にはなりません。

あくまでも、ローソク足の判断をサポートするものという理解が必要です。