プロフィットファクター2以上のEAが勝てない理由

2024年8月20日

プロフィットファクターが「2」以上のEAは、遅かれ早かれ負けます。

本記事は、法律で認められた金融庁登録業者により書かれています。

プロフィットファクター = 総利益 ÷ 総損失 で計算されます。
高ければ高いほど良いように見えますが、そうではありません。
遅かれ早かれ、「2」以上のEAは負けます。
FX市場には、プロフィットファクターが「2」を超える優位性は存在しません。
したがって、そのようなEAは過剰最適化と言えます。
複数のトレードロジックの寄せ集めか、トレード期間が限定されているケースがほとんどです。
本記事では、プロフィットファクターが「2」以上のEAが勝てない理由を詳しく解説します。
【関連記事】プロフィットファクターとは
記事の信頼性担保

【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269
【説明】投資家の皆様への継続支援を通じて金融立国に貢献します。

本記事では、下記の目次の内容を記載します。

プロフィットファクター「2」以上のEAが勝てない理由

プロフィットファクターは高ければ高いほど良いと勘違いしている人がいます。

そのような人は、「プロフィットファクターが2以上のEAを使っているのに勝てない」という状況に遭遇します。

プロフィットファクターが2以上あるの勝てない理由は「それが真の値ではないから」です。

そもそも、外国為替市場には、プロフィットファクターが「2」を超えるような有意性は存在しません。

2以上の値を示す時点で、過剰最適化(オーバーフィッティング)を宣言しているようなものです。

FXで利益を上げるためには、統計学的に優位性のあるポイントにおいて、エントリーとイグジットを行うことが必要です。

その統計学的に優位性のあるポイントでも「真に」2以上のプロフィットファクターを持つトレードロジックは知られていません。

では、なぜ、プロフィットファクターが2以上のEAが売られているのか?という疑問が沸くでしょう。

答えは、

過剰最適化(フィルター等)により、プロフィットファクターが2以上となるように演出したプログラムを寄せ集めてEAにしているから

となります。

2以上のプロフィットファクターは偽物です。

2以上のプロフィットファクターが偽物である理由は、EA購入者が知らない、EA開発者が行うプロフィットファクターの上げ方を知ることで、答えは自ずと出てきます。

EAの開発過程では、膨大なバックテストを行います。

ますは、単一のトレードロジックから始めるのが一般的でしょう。しかし、単一ロジックで長期間のバックテストで好成績を出すことはなかなかできません。

そこで、「負けトレードを消す」ためのフィルターを入れるということをします。どんどんフィルターを入れていくことで、プロフィットファクターが2を超えたとします。

しかし、そのころには、トレード数が減ってしまいます。つまり、滅多にトレードしないけど、トレードすればいい感じで勝てるように演出された「過剰最適化プログラム」の出来上がりです。

トレード数が少ないと、得られた値に統計学的な頑健性がありませんので、信頼が得られるものではありません。そもそも、トレード数が少ないシステムはユーザーを満足させることができず、売れません。

そこで、悪意あるEA販売元は、このようにして作られた、プロフィットファクターが2以上のトレード数が少ない過剰最適化されたプログラムを寄せ集めて、「勝てそうに見えるEA」を演出して売るのです。

プロ野球に例えると、1勝しかしていない投手を200人寄せ集めて200勝投手(名球会入り)と言っているのと同じです。1勝しかできない実力の投手を寄せ集めても、200勝投手とはなりません。

EAでも同じことが言えます。

つまり、プロフィットファクターが2以上のEAとは、プロフィットファクターが2以上になるように過剰最適化をかけたプログラムを寄せ集めている場合がほとんどです。

プロフィットファクターの数値が信頼できるかどうかはトレード数に依存しますが、それは単一のトレードロジックにおいて判定しなければなりません。

プロフィットファクターの正しい使い方

プロフィットファクターの正しい使い方は9割の人が誤解しています。その結果、2以上のプロフィットファクターを探すというような現象が生まれます。

バックテストやフォワードテストから得られるプロフィットファクターはトレード数(勝トレード、敗トレード数)の影響を受けます。トレード数が多ければ、値の信頼性は高く、トレード数が少なければ値の信頼性は低くなります。

つまり、トレード数が少ない過剰最適化プログラムを寄せ集めてEAを作っても、そのようなEAの信頼性は低いと言えます。

なお、寄せ集められるトレードプログラムは、お互いに独立していることがほとんどなので、トレード数を合算して評価することはできません。

【関連記事】【誤解が9割】プロフィットファクターの正しい使い方

プロフィットファクターが2以上のEAは「初心者狙い」です。

EAトレーダーの構成比で最も多いのは、初心者です。初心者は、盲目的に「プロフィットファクターが高い=勝てる」と思ってしまいます。

ほとんどの開発者は、永続的に利益を出せるEAを開発できません。しかし、EAを売ってお金が欲しいわけです。

このような構図から、「暗黒的」な需要と供給の関係が成立してしまいます。

初心者は、プロフィットファクターが2以上のEAを使ってしまい、退場していきます。退場した枠に、新たな初心者が投入されます。

つまり、プロフィットファクターが2.0を超えるEAに、初心者は群がり誤魔化されています。そのようなEAは、LINEオープンチャットやTwitterのような、初心者が多く存在するSNSを使って集客されています。

開発者は勝てないと分かっているEAを、未経験者・初心者に使わせるという構図です。この構図は、強い言い方をすれば「詐欺」です。しかし、「投資は自己責任」という文言により、詐欺ではなくなってしまいます。

これが、FX界隈に「立証されない詐欺」という言葉が存在する理由です。

例えば、Twitterを舞台にする立証されない詐欺では、プロフィール欄にサクセスストーリーがあります。このようなサクセスストーリーは立証されない詐欺の鉄板パターンですので注意しましょう。

例)まず失敗 ⇒ 素晴らしい方法に出会う ⇒ そして成功 ⇒ あなたにその方法を教えるよ。

だいたいこのパターンですので、このパターンに遭遇したら疑いましょう。仮に、この話が嘘でなかったとしても、それは極めて再現性の低い話です。あなたが、Twitterレベルで容易に手に入る情報によって、経済的成功まで容易に手に入るというのは甘い発想です。

EAの評価方法を習得しよう

正しいEAの評価方法を習得すれば、粗悪EAを掴まされるリスクは激減します。

当サイトでは、EAを正しく評価するための手法を紹介しています。以下の関連記事を読んでいただければ、粗悪EAを掴まされるリスクは激減することをお約束します。

バックテスト・フォワードテストの検証ポイントは決まっています。

EAを正しく評価するためには、バックテストとフォワードテストを読み解くことが重要です。しかし、複雑なテストデータを正しく把握することができない方もおられると想像します。そのような方のために、検証パターンをお示しています。検証パターンを習得すれば、優秀なEAかどうかを判定することは容易です。

【詳細記事】優秀なEAを見つけるための検証ポイントを大公開!

EAを分かりやすく点数化できます。

バックテストやフォワードテストの結果を読み解く場合、どうしても経験の差が出ます。そのような差を解消するために、EAを点数化できるシミュレーションツール「EAスコア」を公開しています。

まず、EAスコアを使って、EA選別の初期段階に使っていただいても良いですし、テスト結果を読み解いた後の確認に使ってもらっても有益です。

【関連記事】【EA採点ツール】「EAスコア」でFX自動売買を点数化!【業界初】

まとめ

プロフィットファクター2以上のEAは勝てません。
その値は、真の値ではなく、見せかけの偽物だからです。
過剰最適化プログラムの寄せ集めEAには注意が必要です。
プロフィットファクターの正しい使い方を知ることは重要です。
正しくEAを評価し、粗悪EAを使わないようにしましょう。