違法IB屋と海外FX詐欺について(スピード違反理論も含めて)
国内居住者に対して、財務局(金融庁)に無登録の業者(以下、無登録業者)を営業する行為は違法です(金融商品取引法(金商法)違反)。なお、無登録業者からの報酬の流れる先が国内居住者か海外居住者かを問わず、国内居住者に対する営業実態が存在していた場合は、違法・幇助扱いになると私どもは判断しています。金商法違反による摘発は、反社会的勢力とみなされ、日本社会の経済活動から排除されることを意味する重罪になります。なお、金商法違反者の住所が国内にある場合、いきなり起訴されることがあります。
【執筆】株式会社トリロジー
【登録】財務省近畿財務局長(金商)第372号
【加入】日本投資顧問業協会 会員番号022-00269
違法IB屋は無免許運転
金商法違反を正当化する者の言い訳として「スピード違反理論」というものがあるようです。
「制限時速40kmの道路を、制限時速を遵守して運転するドライバーはいない。自分たちがやっている金商法違反は、制限時速40kmの道路を時速50kmで走っているようなものだ、みんなやっている。」
これが金商法違反における「スピード違反理論」のようです。このように考えている人は、そもそもの前提に大きな誤解があります。スピード違反というのは、運転免許証を持っている人に適用されるルールです。運転免許証を持っていない人はスピード違反以前の問題で、無免許運転です。
スピード違反理論を金商法に当てはめられるとするならば、それは金融庁登録業者が自社サービスにおける法的逸脱の解釈を当局と議論している状態と言えるでしょう。無免許の違法IB屋に適用される理屈ではありません。ただし、金融免許を持っていたとしても、悪質な業者は散見されますので注意が必要です。
(参考)IBにおける合法・違法論争の登場人物とは
私どもは、最近まで、「金商法 x IB」という金商法を舞台にする登場人物を、「合法 x 違法」の2極で考えていました。しかし、この考えは誤りでした。私ども合法サイドは、違法サイドの登場人物にあまり興味がありませんでした。しかし、2023年11月に勃発したSNS上の違法IB論争をきっかけに、違法サイドの登場人物には、「違法IB屋」と「海外FX詐欺師」の2種類が存在することを知りました。
- 違法サイドの登場人物
- ▪ 違法IB屋
▪ 海外FX詐欺師 - 悪質性
- 海外FX詐欺師 >>>> 違法IB屋
違法IB屋
違法IB屋の中にも様々な種類がありますが、違法に変わりありません。①投資家の運用資金を増やすことで、自分のIB報酬を増やそうとする者から、②投資家の運用資金はどうでもよく、自分のIB報酬を増やすことのみが目的の者まで、様々な違法IB屋が存在します。
①の違法IB屋の場合、投資家と目指す方向性が同じに見えますが、無登録の海外FX業者を使うので、投資家の皆様は多くの資金を預けてはいけません。「海外にお金を流す=戻ってこないリスク」という覚悟が必要です。さらに、税処理が非常に不利なので、FXで勝つためには非合理的な選択であることに間違いはありません。自分のIB報酬を目当てに、投資家にとって不都合な提案をしている可能性があるので注意が必要です。
②の違法IB屋の場合、投資家の運用資金に興味はありません。如何に自分のIB報酬を増やせるかのみを考えています。すなわち、スプレッドを最大限マークアップし、投資家から手数料を搾り取ります。当然、投資家の資金は目減りしていくことでしょう。搾り取るだけ搾り取ったら、搾取の対象を他の投資家に変更するだけです。
- 違法IB
⇒ 金商法違反で逮捕・反社登録を覚悟 - 海外FX
⇒ 日本に資金を戻せないリスク・税金面の不利を覚悟
違法IBの事例
「口座開設サポート」を含め、アフィリエイト広告や雑誌等で海外無登録FX業者の広告行為についても、店頭デリバティブ取引の媒介行為に該当し、金融商品取引法違反行為(無登録営業)に該当する可能性があります。
平成25年8月8日 関東財務局(https://lfb.mof.go.jp/kantou/content/000068765.pdf)
- 違法事例
- 実態として、日本国内居住者に対する営業が存在する場合は違法。
- EA BANK
- シストレ.com
MOSA TRIAL(閉鎖2024年6月)- TRADERS-Pro
- FinalCashBack
- とある技術者の金融工学
- MT4 EAの無料配布サイト
- 違法性の判断とその後の展開ついて
- 国内居住者に対する営業の有無は、その実態によって判断されます。そのため、日本語のページが存在するだけで、当局からは警告書が発出されてきました。また、違法IB屋の住所が国内にある場合、警告だけでなく、いきなり起訴されることがあります。
EA開発者の違法性
実態として、違法サービスの構成要件とみなせる場合、EA開発者も違法・幇助扱いです。
- 無登録業者のサービス構成要件とみなせるEA開発者は違法、または幇助
海外FX詐欺師
海外FX詐欺師は、違法IB屋とは悪質性が別次元です。詐欺師が海外FXを利用して、一般庶民に詐欺を働いているだけの構図です。詐欺師は、海外FX口座に資金を入金させ、取引画面上は取引をしているように見せかけ、口座を飛ばし(資金を溶かし)ます。損失は出金する必要がないので、そのまま詐欺師の収益になります。無登録の海外FX業者に日本の法律は無力です。
なお、海外FX詐欺師は違法IB屋をも騙し、利用しています。違法IB屋は、自分が騙され利用されていることに気づくことなく、自分の違法IB報酬の増加を期待して、海外FX詐欺師に送客しています。自分が送客した投資家の口座が、意図的に飛ばされることなど知る由もなく。
- 海外FX詐欺師
⇒ 詐欺が目的 - 無登録の海外FX口座を使い、詐欺を行う
⇒ 取引の損失に見せかけ、意図的に出金不能にする
⇒ 入金額は詐欺師のものになる - 海外FX詐欺師は、違法IB屋をも騙している
⇒ 違法IB屋はそれに気づいていない可能性 - 海外FX詐欺師は、金商法で議論する以前の問題で、ただの社会悪
⇒ 金商法違反で逮捕・反社登録されるように皆で通報
- (参考記事)海外FX巨額詐欺の餌食となった日本国民の1兆円
海外FX詐欺による被害者の方へ
海外FX詐欺師は犯罪者です。至急、「警視庁・サイバー警察局」へ被害届を出してください。「海外FX詐欺にあった」と言いましょう。
- 警視庁・サイバー警察局
【サイバーセキュリティ対策課】06-6943-1234
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